「夫婦にとって庭はかすがい」
会話が多く、仲の良い夫婦ほど庭をうまく活用している傾向
「ともに過ごす時間」が増える時代に、庭は夫婦をつなぐ
高齢化の進行だけでなく、リモートワークの増加などにより、夫婦で自宅で過ごす時間が増加している。その中で、夫婦の良いコミュニケーションを保ち続ける鍵として「自宅の庭」の役割に注目した。
まず年代別で「庭でしていること」を見ると、30代では「子どもを遊ばせる」人が多いが、40代になると、その割合は半分程 に。その一方で、年代が上がるにつれ少しずつ増えるのが「庭木・草花を育てる」人。「趣味に活用」や「リラックス」のために使う人は、60代以上が他の年代より多い(グラフ①)。30代の庭と60代の庭では、家族にとっての役割が異なることが見てとれる。
もうひとつ「庭の活用」と、「夫婦仲の自己評価」でクロスをかけてみた。その中で、「会話はあり、仲はいい」という集団と、「会話はあるが、仲がいいとは言えない」という集団では、庭の活用全体に差が見られた(グラフ②)。
その理由を、回答者のコメントやデプスインタビューから読み解くと、「庭に関する会話がある」ことが、夫婦間の良いコミュニケーションに貢献していることが分かる。黒川伊保子氏が説くように、「同じものに関心を持ちながらも、直接対面しすぎない」「育つもの、変化するものを見てなごめる」「いい距離感が保てる」などの傾向が、実際に見られた。
良くも悪くも長い時間を共に過ごさざるを得ないこれからの夫婦にとって、庭がもたらすコミュニケーション効果は大きいと言える。
調査編集/株式会社リビングくらしHOW研究所
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LIXIL × リビングくらしHOW研究所 共同レポート_202112
■実施時期:2021.10.8~10.17
■対象者・手法:サンケイリビング新聞社が保有する読者組織「リビングファン」「City’s」「リビング・シティリビングメールマガジン会員」を対象にWebアンケートを実施。既婚、庭付き戸建居住者を抽出し、集計
■集計数:544人
■プロフィール:平均年齢 52.4歳(30代以下 17.6%、40代 23.5%、50代 30.1%、60代以上 28.7%)/フルタイム29.8%、パート・アルバイト26.1%、働いていない36%、そのほか8.1%/子どもいる84.9%、いない15.1%、女性85.7%、男性14.3%
*本文の数字は小数点以下四捨五入
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