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スペシャルコンテンツ母系新3世代消費研究室

Report4 結婚後も続く、団塊母娘の“仲良しお出かけ”

“ちょっとしたお出かけ”は母娘の定例行事

「まだ子供が小さいので、実の母とのお出かけが一番ラク」と話す高橋江理さん(40歳/東京都)。1歳の娘を持ちフルタイムで働く高橋さんは、現在母と同居している。
「子連れショッピングのとき、夫と一緒だと自分が行きたい場所にふらっと立ち寄ることはできないけど、母なら子供と車の中で待っていてくれたりと融通が効くので助かる」とのこと。中野のブロードウェイや新宿の伊勢丹に、高橋さんの運転でよく買い物に行っている。

今回の調査では、そんな団塊&団塊ジュニア世代を中心とした母娘が、結婚してもなお頻繁に日常的な“お出かけ”をしていることが明らかに。姑よりも実母とのお出かけが多い人は85.9%に上り(グラフ①)、その頻度は数か月に1度が42.5%、毎週出かけるという人が12.8%も存在する(グラフ②)。また、約半数が孫世代も含む3世代で“お出かけ”をしている(グラフ③)。
その目的の上位3位は、「食品や日用品の買い物」「母娘でランチ」「洋服やアクセサリーなどの買い物」(グラフ④)。近場のショッピングモールや百貨店で、買い物を兼ねてランチを楽しむというのが定番コースのようだ。

こうした頻繁な“お出かけ”の背景には、58.1%が実家との距離が1時間以内に住んでいるという現状がある。かつて「一卵性母娘」と呼ばれた団塊母娘の多くは、娘が結婚しても近距離に住み、今もなお仲良し母娘消費を続けているようだ。


母は見返りを求めないスポンサー

「母とは学生時代からショッピングに一緒に行っていました。気兼ねなく付き合ってもらえるし、大蔵大臣様でもあるので(笑)」とは、佐藤和美さん(仮名・36歳/埼玉県)。5歳の娘を持つ専業主婦で、自宅は自分の父母が住む家から徒歩3分とまさにスープの冷めない距離。
出かけ先での費用負担は母の方が多いものの、母にいつも子供の面倒を見てもらっているので、たまにランチをご馳走したり、日常の買い物はしっかり割り勘にするなど、ギブ&テイクを心がけているとのこと。

今回の調査では、お出かけの際の費用は“母が負担することが多い”と回答した人は58.1%(グラフ⑤)。やはり子育て真っ最中の娘世代より、悠々自適の母世代の方が経済的な余裕があるようだ。そんな費用負担の現状について、「自分が母の分ももっと負担してあげたい」と考えている人は44.7%(グラフ⑥)。

では、母世代はどう考えているのだろう? 佐藤さんの母、小田由美子さん(65歳)は、娘との関係についてこう話す。
「正直、お金はかかりますね(笑)。でも、いつか返してもらおうなんて期待は一切していません。娘も孫に対して見返りを求めない無償の愛を惜しみなく与えてほしいと心から願っています」。孫が近くにいることで自然と笑顔が増え、娘とのショッピングでは食品をシェアしたり、若い人の流行もわかって刺激になる。そんな日々の価値は、やはりプライスレスのようだ。

日常の延長上にある母娘のお出かけ。行き先についての情報収集は、「特にしていない」人が最も多く、42.4%。フリーアンサーからは、行き慣れた定番コースや、誰もが知る最新スポット、有名レストランなどに気軽に行っている様子がうかがえる。
また、母世代が持つカード会社主催のプチ旅行、母世代がよく購入するブランドショップのオープニングパーティーなど、母と一緒ならではの優雅な時間が持てるというケースも。多数ではないが、文化芸術やセミナーなどに触れる機会も母世代と一緒ならでは、という回答も見られる。


今や生活の一部!? 母娘の「お出かけ」は減る気配なし

こうした母娘でのお出かけが楽しい、まあまあ楽しいと答えた娘世代は、全体の90%に(グラフ⑨)。最も多いのは「まあまあ楽しい」51.3%で、その「まあまあ」には、相手に合わせることでの気疲れや、実の母娘ならではの小言やケンカがあることがフリーアンサーからうかがえる。
それでも、これからも母娘での「お出かけ」を楽しみたいと答える人がほとんど。既婚女性にとって、母娘での「お出かけ」は今や生活の一部ともいえる。
「母とのお出かけは、余計な気を使わなくて済むし、一緒にいて楽しい。その時だけは、私自身が“母”や“妻”の役割から解放されて、“娘”に戻れるのでいいですね(笑)」とは、前出の佐藤さん。
一卵性母娘の関係は、孫世代が産まれても、簡単には崩れないようだ。
そしてその都度、買い物やグルメを楽しむ母娘たち。大きな財布と小さな財布を上手に使って心を満たす姿が見える。


“仲良しお出かけ”の内容とは?(フリーアンサーから抜粋)

<母と一緒でなければ行っていないと思うお出かけ場所は?>
●「歌舞伎」。なじみのない場所ですので、視野が広がります。(30歳/大阪府)
●「ブランドの子供服」「全国うまいもの市」。少し値段が高かったり、若い人だけだと行きにくいから。(30歳/千葉県)
●「信託銀行や証券会社のマネー講座、外商サロンの内覧会」。実家の担当者が母に勧めるものなので。(40歳、大阪府)

<定番コースは?>
●アウトレットでお買い物、百貨店でお惣菜を買って帰る。(35歳/埼玉県)
●映画見たら必ずポップコーンを買い、家にはお土産でケーキやデザートを買って帰ります。 ランチはだいたいブッフェです。(26歳/神奈川県)
●歌舞伎鑑賞の前にランチ。後でお茶とショッピングとおしゃべり。(42歳/東京都)
●ヨガにいってイタリアンを食べて帰る。(30歳/埼玉県)
●母の運転で、日帰り入浴して、帰りにレストランで食事する。(43歳/兵庫県)

回答者数:490名
平均年齢:40.18歳
実母の平均年齢:67.7歳
姑の平均年齢:68.7歳
子供の有無:いる56.3%、いない43.7%
親世帯との同居:している22.4%、していない77.6%
実家との距離が1時間以内:53.1%
※2013年6月、リビングWebでの調査

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