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Report8 新課税制度が“お金の話”のハードルを下げる!?

3人に1人が母娘で投資を話題に

今回の調査で、「実家の資産や投資について、把握していますか?」という問いに対し、最も多かった回答は「部分的に知っている」で40.3%。「ほぼ把握している」という人は11.2%にとどまり、「まったく知らない」と答えた人は37.3%いた(グラフ①)。
また、「実家の資産運用や管理について母娘間で相談をしている」人は24.7%(グラフ②)。「母娘間で投資について相談したり話しあったりすることがある」人は30%(グラフ③)と、母娘間で投資関連の話をする人は約3割となっている。
フリーアンサーを見ると、株や外貨為替、投資信託など、どのような商品が魅力的かといった話題から、資産運用まで、話題はさまざま。
娘からは、結婚後の資産管理や運用について母に相談。株取引に詳しい娘に、母がアドバイスを求める。または一緒に商品や資産の運用を検討する、といった姿が見られる。
また、「母は株、私は投資信託、個人年金などをしています。NISAなどの新しいことについて話します」(東京都/34歳)など、投資への関心が高く、2014年1月からスタートする少額投資非課税制度(NISA)について話題にしている人も見受けられる。

父と息子ではなく、母と娘の関係で、3人に1人が投資を話題にしているという現状は、女性にとっても、投資が身近な話題になってきていることを示しているといえるのではないか。


人生の先輩は、保険のアドバイザー

生命保険について、母娘で話し合っている人は40.3%(グラフ④)。投資よりも話題に上る頻度は高い。
「結婚して子どもができた時に見直そうと思って、どんな保険に入っているかを母親に聞いた」(愛知県/34歳)など、結婚や出産を機に、どのようなタイミングでどんな保障が必要か、保険に加入するのと預貯金に励むのとではどちらが正解かといったことについて、家計を切り盛りして家族の健康を管理してきた人生の先輩にアドバイスを求める人が多く見受けられる。

その一方で、実家の母親がどんな生命保険に加入しているかをしっかりと把握している人は10.5%と、多くはない(グラフ⑤)。いざというときにどのような保障があるのかといった質問は、仲良し母娘間であってもしにくいようだ。

また、子供のための学資保険を祖父母に負担してもらっている人は5.5%にとどまっている(グラフ⑥)。子供の進学について、資金面で祖父母世代に相談したことがあるという人は12.4%(グラフ⑦)。フリーアンサーからは、「子供の教育に関しては、親が負担するのが当然だと思っているので、祖父母世代に頼るという発想がない」(東京都/41歳)など、自分の家庭のことは、親に頼らず自分たちで何とかしたいという考えが非常に多く見られた。

おもちゃや身の回り品、節句のお祝いなどでは祖父母世代に甘えることの多い母娘の関係だが、教育費においては親としての責任感を強く持っているようだ。

 

実は気になる実家の台所事情、切り出すきっかけは…

「いざという時、代行できるように情報が欲しい。けど”いざという時”に遭遇したくないので、親に切り出せない」(埼玉県/40歳)。「きちんと話さなければならないことだとは思っていても、お金のことなので、切り出しにくいです」(兵庫県/41歳)。
母娘、それぞれの世帯の資産や経済状況について、心配に思うことを聞いたフリーアンサーでは、お金のことや、親の死後のことについては、デリケートで話しにくいという声が多く挙がっている。

特に母親世帯の資産については、娘世代からは切り出しにくいことが分かる。しかし、父親が病気になったときなど、いざというときに、加入している保険でどのような保障があるのか、資産の管理はどうなっているのかが分からず、心配している人は非常に多い。

年金額が下がり、消費税は上がることが決定し、相続税も上がる一方の今、不安要素は増えてきている。

そんな中、「教育資金贈与非課税制度」や「少額投資非課税制度(NISA)」については、「知っていて内容も理解している」人と「聞いたことはある」人を合わせると約8割と、認知度がかなり高くなっている。

「NISA」は、前述の通り、すでに話題にしている母娘もいる。
「教育資金贈与非課税制度」については、孫の存在がクッションになるため、親子で話題にしやすく、祖父母世代の“終活”と結びつくことも推察できる。

こうした新しい税制が、母娘間でも敬遠されがちな“お金の話”のハードルを下げる可能性があると言えそうだ。


母娘、投資・資産運用のホンネは!?

フリーアンサーから、母娘間における、投資・資産運用についてのホンネを紹介。

●いざという時、財産など把握していないのが心配。 ほとんどないからというのが、どこまで本当なのか。(愛知県/34歳)

●今、急に何かが起こるということはないと思っていますが、年金暮らしの親なので、この先、生活費等不足が生じた場合どの様に対処したらよいか考えることがあります。(東京都/44歳)

●将来私達にお金を遺してくれる気持ちはありがたいが、自分たちの暮らしにしっかり使ってもらいたい。(埼玉県/38歳)

●(親たちは)年金が減っているし、来年からは消費税も上がるので大丈夫かなと思うことはあります。(愛媛県/38歳)

●これからまだ子供の教育資金がかかる中、年金生活の高齢の母親世帯の介護費用が増えていくので生活の質が落ちることが心配。夫婦世帯として、子供の教育資金と両立しながら、どこまで援助できるかが心配である。(東京都/54歳)

●娘世帯は子供が多いので経済的には余裕が無い。世帯主(婿)が責任を持って生活すべきと思うので 親世帯から援助の話は敢えてしない。(千葉県/64歳)

●成人している子どもの1人が低賃金なので家賃など考えると、本人は口にしないが、ぎりぎりの生活にみえる。子どもが病気になった時などの事を考えて、賃貸に住んでいる私が自分の住居を買おうかと思っている。(広島県/67歳)

◇回答者プロフィール
平均年齢:43.72歳
既婚:77.8%、未婚:22.2%
子供:いる61.3%、いない:38.7%
※2013年10月、リビングWebでの調査。有効回答数:302

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