ご無沙汰しておりました。くらしHOW研究所 副所長の阿部です。
前回は、男女の脳構造の違いと特徴、脳の構造からくる女性コミュニケーション能力の高さ、すばらしさを「女性コミュニケーションの不思議」として、スポーツクラブのサウナでのふたりのミセスの会話からお届けしました。
さて、今回も引き続き男女脳の違いからの女性のすばらしさ、不思議についての話しです。女性にとってもっとも身近であるショッピングの実態からのお話しです。みなさんは、こんなデータを存知ですか?洋服店で試着をしてみて商品を購入する割合はどの程度でしょうか? 男性、女性どちらが、その割合は高いと思いますか?
ある調査によれば、その割合は男性が65%で女性が25%だそうです。男性の方が女性より約3倍も試着すると購入する割合が高いです。ただし、このデータには、どれくらいの割合の人が試着をするかというデータは提示してありません。
これは、推測ですが、試着する人の割合は、女性の方がはるかに高いのではないかと思います。女性の方が試着をする人の割合は多いが、試着してもなかなか購入しないとなると、婦人服を販売している方にとっては、試着の販促効果は、それ程高いものではないのでは? と考えてしまうのはわたしだけでしょうか。
よく言われることですが、男性はお店に行くときには、事前に購入する商品は決めていて、店舗でどのブランドにするかどうかを決定する。 つまり、実際にお店へ行くときは購入を前提にしている。一方、女性は、ショッピングそのものが楽しみである為、特段、購入を予定、意識していなくても、素敵な洋服がディプレイされていると、店内にはいりとりあえず試着してみる、というぷらっと立ち寄り傾向と、その流れの中での衝動購買をする割合が高いといわれています。
このように男性と女性では、お買い物の傾向の違いがあるようですが、男女のお買い物の違いを調査分析したものに、㈱博報堂の買物行動研究プロジェクトの本間理恵子さんが書いた「買物脳」があります。その中から男女のお買物の違いを整理してみました。

男女のお買物の違いの一端がご理解頂けたでしょうか? さらに、男女のお買物の違いは衝動購買によく現われるのではないでしょうか? 我々男性から見ると、女性はしょっちゅう衝動購買をしているそんな実感があります。奥様やお子様のお買物に付き合われたことがある方であれば、ワンピースを買いに入ったはずのお店で、ついでにブーツやスカートも買い込んでいるところに居合わせたことはあると思います。
くらしHOW研究所ではミセスのお買物に関する調査を長年実施しておりますが、その中から、ミセスの衝動購買の実態に関して調査したものがありますので、そのデータをご紹介いたします。
ミセスが、日常の買い物をする際、当初予定していなかった物を購入、いわゆる“衝動買い”が、“よくある” と回答したミセスは5割程います。“たまにある” と回答したミセスを含めると実に9割のミセスが日常的に衝動購買しているのです。 女性の方は納得ですか? ご自身はどの程度、衝動購買をされていますか?
一方、日常の買い物をする際、買い物リストを作り計画的に買い物をすることが、“いつもの習慣” となっているミセスは2割程です。では、どれくらいの割合で、計画品と予定外品を購入しているのか?を聞きました。 前もって予定していた物と、予定外の物をあわせて “100” とした場合、ミセスの回答では、その割合は、「70:30」 が32%でTOP。次いで 「80:20」 が27%となりました。
ちなみに、衝動購買する機会が多い業態では、「大手総合スーパー」 が79%でTOP。次いで 「食品スーパー」 70%、「ドラッグストア」 「100円ショップ」 が49%となりました。購入したアイテムでは、「食料品」 が98%でダントツのTOP。次いで 「日用品(消耗品)」 58%、「生活雑貨」 56%でした。購入のきっかけでは、「割引・セールをしていたから」 が93%でTOP。次いで 「手頃な価格だったから」 70%、「在庫が無いのを思い出したから」 52%となりました。
この様に、日常のお買物で衝動購買が日常化しているミセスが、衝動購買をどう解釈しているのか、調査は異なりますが、くらしHOWで行ったお買物に関する座談会からのミセスのコメントを見てみると下記のようになります。
【ミセスのコメント あなたにとって衝動購買とは?】
○「今日か明日使うモノを予定外で購入しても、それは衝動購買ではないと思う」
○「お店でブランドを変えても、それは衝動購買ではない」
○「子どものおねだりで買うのはやむをえない。それは衝動購買とはいえないのではないか」
○「後になって高いモノを買ってしまったと後悔したときは衝動購買」
○「迷ったときに買わなかったことを後悔するより、いま買ったほうがいいと思うのは衝動購買」
○「イライラしたときなど、ストレス発散のためにお菓子などを買うのは衝動購買」
このコメントを見て、皆様はどうのようにお感じになりましたか? マーケッターの方は、日頃、自分達がとらえている衝動購買の実像とマッチしているでしょうか? これは衝動購買だろう! と思っているようなお買物は、ミセスの実感にとっては衝動購買ではないような気もします。
では、いったい何が!! ミセスの衝動購買なのか? そんなことをミセスに聞いても本当に答がえられるのか? そんな悩みも抱えている訳ですが、マーケッターは、消費者起点の時代、分らないことは消費者に何でもきけばよいのか? 消費者から答は得られるのか? といった疑問も含めて、次回は、最近、流行の行動経済学にもある「消費者はうそをつく」といった視点から、さらなる女性の意識の神秘を探ってみたいと思います。

