くらしHOW研究所 副所長の阿部です。
くらしHOW研究所は、女性の「くらし」「購買」についての研究、調査を行い、データや消費者インサイトを皆様にお届けしております。女性に関する調査、研究機関であるからというわけではないのですが、私以外の研究員は全て女性です。
唯一の男性研究員である私が、このブログの中で皆様にお届けするのは、男性視点から見た「女性のすごさと不思議」です。女性の不思議というと、幅が広すぎますので、日頃、私が感じている「女性コミュニケーションの不思議」について今回はお伝えしていきたいと思います。
男女の違い、男性脳・女性脳について書かれている書籍は多くありますが、有名なものとしては「話しを聞かない男、地図が読めない女」(アラン・ピーズ+バーバラ・ピーズ)があります。
この本によれば、男女間の脳の構造の違いはいくつかあるが、代表的なのは右脳と左脳をつなぐ脳梁の形と大きさが違うということです。女性脳は、男性脳に比べて脳幹が2割増太いそうです。そのため、女性は男性と違って幾つかの事を同時にやれるのに対して、男性では一つずつしかできないということが書いてあります。
左右の脳のつながりが太い女性のコミュニケーションでは、脳全体を使って話をします。本筋に関係ない無駄な話も会話の中に入ってきて、ゆえに余計な会話が多くなり、女性はよくしゃべると言われるわけです。
ちなみに、女性は一日に平均6000~8000語の単語を楽々としゃべり、さらに言葉にならない声や音を2000~3000回、顔の表情や頭の動きといったボディーランゲージも8000~10000回ほど出している。全部あわせると一日平均2万もコミュニケーションとしての「言葉」を発しているとのことです。
一方、それが男性になると単語は2000~4000語、声は1000~2000回、ボディーランゲージはたったの2000~3000回である。合わせてもコミュニケーション活動は7000回で、女性の三分の一強しかありません。小さい頃から女性がおっしゃべりなのは、脳の構造の違いにあった訳です。それにしても、男性は女性の三分の一しかしゃべらないとなると、口喧嘩をしても勝てる訳がありません。
先日、女性が左右の脳を上手に交差させ情報をパラレルに処理しながらコミュニケーションをしているのを体感する機会に遭遇しました。それは、毎週私が通っているスポーツクラブでのことです。ひと泳ぎしたあと、サウナに入っていると、60代前半と思われる女性ふたりが入ってきました。この女性達、入ってくるなり会話を始めたのです。入り口には、“サウナの中ではお静かに!マナーを守って施設を利用しましょう。”という案内板が立っているにもかかわらずです。
まぁ、それはさておき、私はひとり、二人の会話に耳を側立てていたのですが、男性の私からすると、この二人の会話は全くかみ合っていないと感じたのです。
つまり、ひとりの女性は、息子の嫁について一生懸命しゃべっています。孫の教育方針がなっていないとか、作る料理は加工食品ばかりであるとか。私は、よく聞く嫁と姑のことか~ なんて聞いていたわけですが、その話しを聞いているはずのもう一方の女性の方も、延々と、先週夫といった日光での出来事を話しているのです。東北自動車道で事故があったとか。途中のSAでお昼に食べたお弁当がおいしかったとか、いろは坂では猿の大群がいたとか。こちらも、そうなんだ~と聞いた私は、それぞれ話の内容に対しては一応納得したのです。
いや、まてよ!! よく考えるとこのふたりは、互いに会話しているのではなかったか??? 私から見ると、延々と違う話を、それぞれに一方的にしゃべっているだけとか思えない。にもかかわらず、当のふたりは会話の途中では、お互いに「そうよね~」「うちもそうそう」と相槌を打っていました。
挙句の果ては、サウナを出るときには、嫁の話しをしていた女性の方は、「今度、私も旦那と日光へ行ってみるわ~」と言い、もう一人の女性も、「家に帰って、息子によく嫁の教育について話さなきゃ~」と言い合いながらサウナから出でいったのでした。まさに、同時並行的に色々なテーマを話しながら情報処理ができる女性のコミュニケーション能力を体感したのでした。
こういう形でのコミュニケーションは、決して男性同士では起こりません。ひとつのテーマや相手の発言に対し逐次対応していくのが男性型のコミュニケシーョンです。男性は話をするときに左脳しか使っていないそうです。
したがって、話す言葉は短く、論理的な構造がしっかりしている。単刀直入に話が始まり、要点を押さえて結論をはっきり述べるので、何が言いたいのか、何を望んでいるのかわかりやすい。しかし、一度にたくさんの話題を出すと男は混乱するという特徴があります。
男女間で、コミュニケシーョンの形や情報処理方法に違いがあるのは分りますが、それは、現代のように、色々な情報が溢れ、錯綜している複雑で、多様化している世の中では、どちらが有利なのでしょうか? コンピューターの世界では分散型のパラレルな情報処理能力が統合型の情報処理よりも有効であることは明白となっています。
おそろく、今の時代にも対応し、強く生き残っていけるのは女性なんだろうな~と痛感させられます。
現在、商品開発、コミュニケーション開発においては、生活者視点や、消費者創発型、生活者発信型のアプローチが必須といわれています。
生活者、特に女性ですが、女性を巻き込まないでの商品開発、コミュニケーション開発はできないとまで言い切ってよいでしょう。しかしながら、多くの企業では、マーケティング、企画開発、コミュニケーションプランニング等現場にいるのは男性社員が圧倒的に多いのではないでしょうか?
当社には、女性マーケティングに関する多くデータ、調査レポートがありますので、是非、ご利用頂きたいのですが、さらにくらしHOW研究所唯一の男性研究員として、私の生活の身の回りの中でのちょっとした体験から、「女性のすごさと不思議さ」を皆様にレポートしてゆきたいと思いますので、「女性生活者インサイトを探る」ひとつの手かがりとして頂ければと思います。

