くらしHOW藤田景子です。
皆さんは、もし「今、主婦が欲しがっているモノ、関心の高いモノを、4つ挙げよ」と言われたらなんと答えるだろうか? 「人それぞれでしょ」という答えはナシ。「主婦ならではの“欲しいモノ”」を、一度想像してみてほしい。
私が答えるとしたら…
①ホームベーカリー
②電動自転車
③ル・クルーゼの鍋
④美容家電(イオンスチーマーなど)
この4つだ。
今年3月、リビング新聞グループの主婦組織(リビングパートナー)の女性728人に、「話題の場所・モノ」に対する経験&興味を聞く調査を行った。その結果、「モノの部」で興味率(欲しくて買った人+買っていないが興味がある人の割合)で、上位にきたのが、この4つなのだ。
1位のホームベーカリーは、興味率73.0%。電動自転車60.1%、ル・クルーゼの鍋58.6%、美容家電58.5%。ちなみに5位の「BBクリーム」が50.0%で、いずれも半数以上のミセスが「興味がある」商品だ。
「BBクリーム」についてはブームが落ち着いてきた観もあり、もし現時点で調査したら数値が落ちることも考えられる。しかし上位4つについては、だいぶ以前から根強い人気を誇っているので、調査から数カ月たった今でもそれほど大きな変動はないだろう。
さて、ではこの4つの、それぞれの所有率は?
◆ホームベーカリー 37.0%
◆電動自転車 14.5%)
◆ル・クルーゼの鍋 23.5%)
◆美容家電 17.5%
(イオンスチーマーなど)
電動自転車、美容家電の所有率は20%を切ったが、ホームベーカリーは37.0%と3人に1人以上が所有、ル・クルーゼの鍋も23.5%と、4人に1人が所有していた。
不況&節約志向の中で、2万円以上の鍋が、なぜ順調に売れるのか?
この4つの中で、男性から見て一番「?」なのは、「ル・クルーゼの鍋」ではないだろうか? だいたい、「ル・クルーゼ」と聞いて、「はいはい、アレね」とすぐにイメージできる男性は少ないだろう。リビングくらしHOW研究所の2人の男性陣に聞いてみたときも、「それは何ですか?」という反応だった。

これが「ル・クルーゼ」の鍋(ココット・ロンド)
※同社カタログ(2008-2009)の表紙です
ル・クルーゼは、フランスのキッチンウエア・テーブルウエアのメーカーで、そのメイン商品は、鋳物ホーロー製の色鮮やかな鍋だ。価格帯は2万円台~3万円台。「煮る」という機能だけでいえば、同サイズの鍋は10分の1以下の価格で手に入る。しかし、この高価な鍋が、いつのころからか「いつかは欲しい、主婦あこがれの鍋」の地位を、がっちり得て、4人に1人が持っている、という状況まで来ているのだ。
日本の女性(主にミセス)にとって、ル・クルーゼの鍋は、「煮込み料理がおいしくできる」「ご飯もおいしく炊ける」といった機能も魅力ではあるが、機能だけでは、今のカリスマ的な人気は得られない。「ほかのメーカーではなく、ル・クルーゼが欲しい」「持っているだけでうれしい」という不思議な魅力は、いったいどこから生れるのだろう。
不況下の今、主婦の消費といえば「節約志向」「家計引き締め」などの傾向が主に語られる。その一方で、2万円~3万円の鍋が、「不況の影響は感じない」と同社広報がコメントするように、堅調に売れ続けている。5円、10円にこだわる食費節約の一方で、数万円の鍋を購入する主婦の消費価値感は、どのようなものなのだろうか.
これから数回にわたり、この「ル・クルーゼ」をケーススタディとして取材、調査を行い、同時進行的にまとめながら、現在のニッポンの主婦の消費のこだわりどころ、その背景となる主婦の求める自己と家庭イメージなどを探ってみたい。

