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2009年07月 アーカイブ

2009年07月09日 カテゴリー : 3副所長・阿部レポート&ダイアリー

都心のミニ・スーパーオープンに見る複雑化・曖昧化する流通業態 

はじめまして。 リビングくらしHOW研究所 副所長の阿部浩明です。ブログ初エントリーです。

くらしHOW研究所では、『地域』、『女性』、『くらし』に関する女性マーケティングデータを編集、加工し、広く対外的にくらしHOW女性マーケティングデータとして発表させて頂いております。また、そのデータをくらしHOWサイトに格納し、マーケッターの皆様に、女性マーケティングに関するデータバンクとして活用頂ければと思っております。

くらしHOW研究所がスタート以来、蓄積してきた女性マーケティングデータも、6月末時点で、530本超となりました。この度、くらしHOW研究所発足後、2年以上経過しましたので、毎月、くらしHOWとして発表するデータや、日々、日常の中で話題となっているマーケティングに関する事柄、例えば、新聞の記事とか、ネットニュースやメルマガで話題になっていること、身近でのマーケティングイベントの中から、あくまでも、私くし視点ではありますが、皆様にご紹介をしながら、『地域』、『女性』、『くらし』について、一緒に考えてゆければと思っております。

それでは、まずは、初めてのブログエントリーとしては、会社の近所に、ミニ・スーパーができましたので、そのレポートからスタートしたいと思います。

【都心のミニ・スーパーオープンに見る複雑化・曖昧化する流通業態】 

日本チェーンストアー協会による年度ベースのスーパーストアの販売統計では、2008年4月~2009年3月は13兆1703億円と、2003年以降、5年連続の販売減となっている。この様な中、スーパーストア各社間の競争は激化しており、郊外を中心に展開していた食品スーパーが、最近の都心の人口増加と不動産の賃料下落を背景に、都心部への小型スーパー出店を加速させている。

7月2日(木) 10時に、くらしHOW研究所がある麹町の4丁目に『マルエツ・プチ』がオープンした、6月11日(木)に、日本橋に出店した食品スーパー『マルエツ』の都市型小型スーパーの2号店である。マルエツによれば、実験的である為、詳細は公表しないとのことであるが、『取り扱い品目は、3,000 ~4,000アイテム、取扱商品ジャンルとしては、雑誌、惣菜、飲料、酒類と、野菜、肉、魚等の生鮮品、焼きたてパン等でえることでコンビニとの違いを打ち出す。』と日本経済新聞に紹介されていた。尚、価格に関しては、マルエツの通常店なみであり、マルエツのクーポンの利用ができるとのことである。

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これは、日本橋ですが。。。


さらに、スーパーストア各社のネットスーパーへの取り組みも加速している。ネットスーパーの市場規模自体は、2008年で227億円(富士経済調べ)で、スーパー全体の0.2%程度であるが、年々、成長を続けており、2009年の見込みでは、対前年25.1%増の284億円規模となるようである。消費不況の中、消費者の選択眼が厳しくなる中、市場の拡大に応じ大手スーパー各社も、ネットスーパーの対応店を増加させている。その中でも、市場を牽引しているのは、イトーヨーカー堂であり、2001年3月にサービスを開始し、2007年に対応店、配達地域を拡大した。2009年2月期には、市場の成長もあって、売上高は約130億円となる見込みとのことである。

 くらしHOW研究所では、2009年6月18日~21日で、リビング新聞のウェブサイト「えるこみ」ユーザーの既婚女性1,625人のネットスーパーの利用と今後の意向を聞いてみたところ、ネットスーパーの利用経験者は、現行3割弱であるが、現在、未経験者の今後の利用意向に関しては、6割の人が今後利用したいと回答している。今後、ますます、ネットスーパーの市場は拡大しそうな気配である。


 今日の日経新聞の記事では、イトーヨーカ堂が、創業の地であり、その一号店である千住店(1946年開業、7/20閉店)を業態変更し、“生活応援型”ディスカウントストア「ザ・プライス」として10店舗目、東京都内では3店舗目となる『ザ・プライス千住店』(東京都足立区)を、2009年7月25日(土)にオープンするとの発表があった。郊外中心の食品スーパーが、都心にコンビニ型の小型スーパーを展開し、大手GMSは、ディスカウントストアを拡充している。また、コンビニの方でも、生鮮品を扱うナチュラルローソンのように、食品スーパーの商材を中心とした店舗を展開している。 

この様に、流通業界においてよく言われる『業態』という概念が、ますます、不明瞭となり、大手流通業では、ホールディングの元、GMS業態、ディスカウントストア業態、コンビニ業態等、複数のブランド業態を展開しており、相互に領空侵犯しているように見える。この各業態間のあいまいさは、とっても、分かりにくく、複雑に感じるのだが、消費者は、お買い物に行ったお店が、一体、何のお店なのか? コンビニなのか? 食品スーパーなのか? ディスカウンターなのか? と混乱しているのではないかと考えてしまう。

各業態店を賢く選択し、上手にお買い物をしているミセスに対し、色々な特徴を持つ店舗を展開し、お買い物支援していくことは必要であるが、それぞれのお店が持つ特徴は、分かりやすく伝えてあげることは必要なことだと思う。くらしHOW研究所としては、複雑化、曖昧化する流通業態展開に対し、ミセスが、どのように感じているのか? その違いを認識しているのか? 等を探って行ってみたいと考えている。


2009年07月10日 カテゴリー : 4藤田レポート&ダイアリー

「業務スーパー」~価格格差にビックリ~

くらしHOW藤田です。

 最近の新聞記事に、不況の今、飲食店など向けの業務用量販店「業務用スーパー」や「倉庫店」が普通の主婦に人気とあった。一番有名なのは「コストコ」だが、日本企業もがんばっているという。

 確かに、今、「モノの値段の常識」が再編中だ。私も6月にはファストファッション各店をめぐるうちに、洋服の値段についての常識がどんどん書き換わっていくのを実体験した。

 そして先月には、イオン、そしてセブン&アイが、サントリーの供給により、第三のビールをPBで、それも「100円」を発売したという発表が! 大人の飲み物・アルコール飲料がジュースよりも安いのね…。 これは、食品の価格競争の現場も見ておかねば…と、会社から一路東へ。亀戸の街へ出かけてきた。

「業務スーパー河内屋亀戸店」

 まず、なぜに東京都江東区の亀戸なのか。それは「業務スーパー」という店がここにあったから。「業務スーパー」は、神戸に本社のある株式会社神戸物産が、関西を中心として全国に500店舗近くを展開している。飲食店などのプロの購買が中心なのだろうが、HPを見ると一般家庭の主婦にもターゲットを広げている。コストコのように会費(登録料)などは必要なく、ふらりと出かけて買い物できる。そして、この店の安さのヒミツは、自社工場、関連工場で生産した自社商品や、商社として直輸入した商品を販売しているから、らしい。いわゆるSCM実践企業だ。IR情報によると、国内での原材料生産のため北海道に4800haの土地を買ったというから、なかなか豪快だ。

 JR亀戸駅から歩いて5分くらい。「業務スーパー河内屋亀戸店」はあった。ここは、お酒のディスカウント店として有名な「河内屋」とのダブルネームだ。

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ウーロン茶28円、豆腐35円、第3のビールが88円

 まず入り口にある「ウーロン茶1本28円」に立ち止まる。もちろん190mlの缶だけど、28円のインパクトはすごい。最初っからガツンと来るな~。裏の表示を見ると、国内生産で「神戸物産」が販売元。そうか~やっぱりな。店内は、普通の食品スーパーよりはやや雑然として梱包ダンボールがフル活用されている(こんな感じです)。

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 お客さんは「お店の買出し風」の人が7割くらい、普通の主婦らしき人が3割か。午後2時半という中途半端な時間のせいか、そんなにお客さんはいない。品物は安いものもあれば、それほどでもないものもある。例えば冷凍食品。いつでも4割引きらしいので、安いには違いない。業務用で量も多い。でも、近所のスーパーでも5割引きの日があるし~と思うと、購買意欲はそれほど高まらない。卵10個で137円も、まあまあかなぁ。全体には、大手スーパーより数割安いけど「買うか買わないか、己の判断力が問われる」という感じがする。

 そんな中、掘り出しものはないか…とグルリと見渡すと、ありました「豆腐35円」! 

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35円。サイズはごく普通

 私が普通に買う豆腐は78円。聞いた話だが、激安セールだと「3つで100円」とかあるらしいが、毎日35円で買えるなんて…。でも、これを食べて「おいしい」ということになったら、78円の豆腐を買うたびに、何か悲しい気分になる。こわくて買えないよ…。この、ドレッシングが118円も同様。

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 そして、店の片隅で見つけた、それは「第三のビール88円」! なぜひっそり置いてあったのかは不明だが…。イオンの100円に驚いている場合じゃなかったんだ~。もしかして、あのニュースに驚いていたのは、ぼやーっと生きている私だけだったのだろうか?ちなみにこの「麦旨(生)」は、韓国で生産され、「神戸物産フーズ」が輸入元。

競合店も「対応価格」で対抗

 いや~。うちの近所にもできればいいのに「業務スーパー」と思いつつ、帰りがけに、もう1軒近所のスーパーに寄ってみた。「旬鮮食品館カズン」。

 そして、ぶったまげた。曜日限定ですが、卵は10個78円ですよ!週に1回のまとめ買いなら、いつでも78円ってことだ。

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見えにくいですが、左上の78円が「タマゴ」です

 そして「豆腐」は、「競合店対応価格」と打ち出して49円!
(ほかの普通の豆腐、高い豆腐も置いてありましたが…)。

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「競合店対応価格49円」!

 実際には「業務スーパー」より高くても、この「私たち、戦っています」という打ち出しによって、買ってしまう人も多いのでは。この「カズン」は、生鮮食品も充実しているためか、実際にお客さんもよく入っていた。

物価のエリア格差拡大で、エリアとライフスタイルの関係性がより密接に

 正直、亀戸の物価の安さはうらやましい。しかし、格差社会といわれるが、非常に狭いエリアごとの「物価格差」もグイグイ広がっている。亀戸と同じ江戸川区には「豊洲ららぽーと」もあるが、そこにはまた独自の消費スタイルがあった。どこに住むかで買い物スタイルにも差が出るし、生活費にも大きな差がつく。結果としてまたライフスタイルも変わってくるだろう。この経済環境の変化で、居住エリアとライフスタイルの関係性が、さらに密接になってきているのではないか。

2009年07月17日 カテゴリー : 4藤田レポート&ダイアリー

「Luz自由が丘」~山の手ミセス観察の新拠点、誕生~

くらしHOW藤田景子です。

 7月17日(つまり今日)からオープンする新しい商業施設「Luz自由が丘」の、プレオープン内覧会に行ってきた。

 ここ最近、「ららぽーと」「ラゾーナ川崎」などの新興ショッピングセンターや、「しまむら」「ジーユー」などのファストファッションをレポートしていた。そこには、今、まさに勢いのある消費者が集まっている実感があった。では、元祖消費リーダーたる「山の手ミセス」は、最近はどうなんだろう? その「どうなんだ?」を観察する拠点として、この「Luz自由が丘」がぴったりなのではないかと考えて出かけたのだ。

 正直、規模はこじんまりしているし、ららぽーとのようにどーんと広い通路やエスカレーターはないので、ベビーカーを押したミセスには、ちと辛い。顧客の中心は、独身や子供が生れる前、もしくは子供がある程度大きくなった人になりそうだ。入っているお店は、アフタヌーンティーや下着のウナナンクールのように、かなり店舗数の多い店もあるが、国内で2店舗目、3店舗目など、レア感の強い店が目立つ。

例えばー

「セレブ・デ・トマト」
トマトのお料理・スイーツ専門店。珍しい、宝石のようなトマトの販売も!本店は青山。このトマトの詰め合わせ、5000円、3000円…とか!プレゼントにいただきたい!

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「DELIZIEFOLIIE」(デリッツエフォリエ)
パリの行列のできるジェラートショップ。美しく、おいしい。しかし…カップで3種盛りが550円。4種だと750円。でも、「たまにはいいよねー」と食べちゃいそう。まさにプチ贅沢。

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「クイジーヌ・ハビッツ」
LEEマルシェ、クロワッサンの店などでも人気のキッチン雑貨ブランドの第1号店。ココでお買い物している人がいっぱい!人気が出そう。

「SABON(サボン)」
イスラエルの、ボディケア&バス用品の店。セレブ御用達で、芸能人からたくさんお花が届いていた。オススメの死海のソルトスクラブを試せる。これを使った後は「セレブ・マダムの手」って、こんな感じ!?と実感。ただし単価は5000円。これもプレゼントにいただきたい!

「ニホンドウ漢方ブティック」
ここも人気が出そう。薬日本堂の「新感覚漢方ブティック」。化粧品、お茶などが充実し、相談・処方もしてもらえるそう。

「マリメッコ」
ご存知フィンランドのテキスタイルブランド。テキスタイル、雑貨だけでなく、お洋服も。

 このラインアップ、並べてみると確かに「山の手」感が強い。このほか、まだオープンしていなかったが、自由が丘の人気店、スペアリブが人気のダイニング「シャッターズ」や、審美・美容歯科、フラ・タヒチアンダンスのスタジオも。広くはないスペースの中で、いまどきの、プチセレブミセスの興味関心を過不足なく押さえてある。

 しばらくは人があふれるだろうが、観光感覚で来る人の波が落ち着いたころ、「山の手ミセス」たちの生態観察に、また出かけようと思っている。

2009年07月30日 カテゴリー : いまどき主婦に売れるもの~ル・クルーゼ編~

主婦が欲しがる4つの「あこがれ商品」

くらしHOW藤田景子です。

皆さんは、もし「今、主婦が欲しがっているモノ、関心の高いモノを、4つ挙げよ」と言われたらなんと答えるだろうか? 「人それぞれでしょ」という答えはナシ。「主婦ならではの“欲しいモノ”」を、一度想像してみてほしい。

私が答えるとしたら…

①ホームベーカリー

②電動自転車

③ル・クルーゼの鍋

④美容家電(イオンスチーマーなど)

 

この4つだ。

 今年3月、リビング新聞グループの主婦組織(リビングパートナー)の女性728人に、「話題の場所・モノ」に対する経験&興味を聞く調査を行った。その結果、「モノの部」で興味率(欲しくて買った人+買っていないが興味がある人の割合)で、上位にきたのが、この4つなのだ。

 1位のホームベーカリーは、興味率73.0%。電動自転車60.1%、ル・クルーゼの鍋58.6%、美容家電58.5%。ちなみに5位の「BBクリーム」が50.0%で、いずれも半数以上のミセスが「興味がある」商品だ。

 「BBクリーム」についてはブームが落ち着いてきた観もあり、もし現時点で調査したら数値が落ちることも考えられる。しかし上位4つについては、だいぶ以前から根強い人気を誇っているので、調査から数カ月たった今でもそれほど大きな変動はないだろう。

さて、ではこの4つの、それぞれの所有率は?

◆ホームベーカリー  37.0%

◆電動自転車     14.5%)

◆ル・クルーゼの鍋  23.5%)

◆美容家電 17.5%

(イオンスチーマーなど)

 

 電動自転車、美容家電の所有率は20%を切ったが、ホームベーカリーは37.0%と3人に1人以上が所有、ル・クルーゼの鍋も23.5%と、4人に1人が所有していた。

不況&節約志向の中で、2万円以上の鍋が、なぜ順調に売れるのか?

 この4つの中で、男性から見て一番「?」なのは、「ル・クルーゼの鍋」ではないだろうか? だいたい、「ル・クルーゼ」と聞いて、「はいはい、アレね」とすぐにイメージできる男性は少ないだろう。リビングくらしHOW研究所の2人の男性陣に聞いてみたときも、「それは何ですか?」という反応だった。

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これが「ル・クルーゼ」の鍋(ココット・ロンド)
※同社カタログ(2008-2009)の表紙です

 ル・クルーゼは、フランスのキッチンウエア・テーブルウエアのメーカーで、そのメイン商品は、鋳物ホーロー製の色鮮やかな鍋だ。価格帯は2万円台~3万円台。「煮る」という機能だけでいえば、同サイズの鍋は10分の1以下の価格で手に入る。しかし、この高価な鍋が、いつのころからか「いつかは欲しい、主婦あこがれの鍋」の地位を、がっちり得て、4人に1人が持っている、という状況まで来ているのだ。

 日本の女性(主にミセス)にとって、ル・クルーゼの鍋は、「煮込み料理がおいしくできる」「ご飯もおいしく炊ける」といった機能も魅力ではあるが、機能だけでは、今のカリスマ的な人気は得られない。「ほかのメーカーではなく、ル・クルーゼが欲しい」「持っているだけでうれしい」という不思議な魅力は、いったいどこから生れるのだろう。

 不況下の今、主婦の消費といえば「節約志向」「家計引き締め」などの傾向が主に語られる。その一方で、2万円~3万円の鍋が、「不況の影響は感じない」と同社広報がコメントするように、堅調に売れ続けている。5円、10円にこだわる食費節約の一方で、数万円の鍋を購入する主婦の消費価値感は、どのようなものなのだろうか.


 これから数回にわたり、この「ル・クルーゼ」をケーススタディとして取材、調査を行い、同時進行的にまとめながら、現在のニッポンの主婦の消費のこだわりどころ、その背景となる主婦の求める自己と家庭イメージなどを探ってみたい。


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