雑誌不況の今、女性を引っ張る「STORY」「Mart」の勘と信念
サンケイリビング新聞社 編集企画部・滑川です。
エリアマーケットを少し離れますが、今、気になる「雑誌」について、です。
4月15日売りの「BRUTUS」の特集はパン屋さんでしたね。
3月号の「Title」はチョコ特集。
私たち女性の関心フィールドにヤツらはどこまで入ってくるのだ!とムッとしつつ、
2冊とも買って読みました。
リビング新聞でもそうですが女性誌のパンやチョコの特集は、
あくまでおいしいものを食べたい人に向けたガイド情報なのに対し、
この2誌はパンやチョコについての薀蓄が深すぎて、
アートとして本気であがめちゃっている風なところが不思議です。
「もう何の小麦だとか賞を取ったとかはもういいから、
で、そのパンはどんな味なの? 甘いの? パリパリなの?」と雑誌に聞き返しながら、
奥深いマニア情報を楽しみました。
私は、日ごろリビング新聞のエリア共通の記事を担当する仕事柄、
書店でもまず女性誌に目が行きますが、
ここ数年そのはじけ加減が気になるのが、「STORY」と「Mart」。
「STORY」は「女であること」が最大(!)のテーマで
40代がターゲットのファッション誌。
読者の年代が上がるにつれて上質さや自分らしさを主張する女性誌が多い中、
ずっとモテ続ける“かわいい女”を目指し続けているのです。
ずいぶん前ですが二の腕の弛みを「モテぷよ」と称して、
あえて魅力的に見せるファッションを紹介した企画には、
40代の女性として正直アタマが下がりました。
「Mart」は、読者を郊外に住む若いミセスに絞っていて、
コストコやIKEA、ル・クルーゼ、クロックスの情報がとにかく満載!
読者がわが家の家事技やショッピング術、インテリアを
繰るページ繰るページ紹介しまくります。
2誌とも出版社は光文社。「JJ」「Very」・・・
将来を見据え、これでもか!これでもか!と信念を曲げることなく突っ走っていくのは、
きっと同社の社風でもあるのでしょう。
「Mart」はこの雑誌不況にあって、順調に部数を伸ばしているそうです。
広く浅くではなく、深く強く読者をとらえて引っ張っていくのは、
マーケティングデータではなく『次に何が来るかをとらえる』エディターの勘と信念。
読者アンケートハガキやプロフィル調査は後追いで確認のためにする-。
情報はタダが当たり前の時代になって、
そんな古いタイプの雑誌作りが光を取り戻しているように感じます。

